壁内結露の恐怖!結露が家を腐らせる
家を建てる時はいろいろな事に着目されると思いますが、やはり安心して住める家や快適な家というものには誰もが憧れるものです。日本は地震大国ですので耐震性は譲れませんよね。また、夏場はじめじめして暑いのに、冬場は乾燥して寒いという気候ですので断熱性も譲れません。そんな家の性能を落とす恐ろしいものとして「壁内結露」というものがあります。文字通り壁の内側で起こる結露の事ですが、今回はこの壁内結露の恐ろしさについてお話させていただきたいと思います。
1、壁内結露とは
はじめに、空気中の水分が冷やされて水滴になって付着する事を結露と言います。
冷えた飲み物の入ったグラスの表面が水滴で湿っているって事ありますよね?
また、冬場に暖房器具を使っていると窓が水滴でビショビショという事も経験された方が多いのではないでしょうか?
この様なものすべてが結露であり、家の中のどこででも起こり得る現象なのです。
この結露が壁の中で起こる事を壁内結露や内部結露と言います。
炊事や家事、暖房器具など、僕たちが生活する上で湿度は切っても切れない関係にあります。
また、日本の気候は特殊で、夏は高温多湿になります。
この様な温かく湿った空気は、小さな隙間から壁の中に入ってしまいます。
家の壁というのは一枚板ではなく、内壁と外壁の間には断熱材などの層が存在します。
この層の中には空気もあり、湿度が高ければ高いほど室内と屋外の温度差によって壁の中で結露が起こりやすくなります。
では、壁内結露は家に対してどのような影響を与えるのでしょうか?
2、壁内結露の危険性
構造躯体を腐らせる
壁の中で高温多湿の状態が続くとカビや腐朽菌などが発生しやすくなり、繁殖すれば繁殖するほど柱などの構造躯体を腐らせてしまいます。
腐ってしまった木材は非常にもろくなってしまいます。
家を建てる時に耐震等級3あったとしても壁内結露のせいで柱などが腐り、数年のうちに耐震性が低下するという事があります。
同時に耐久性も低下し、家の寿命を短くしてしまうという事も起こってしまいます。
断熱性を低下させる
一般的な断熱材としてグラスウールというものがあります。
グラスウールは発泡ウレタンなどに比べて安価ですが、正しく施工されれば断熱性としてほぼ同じ性能があります。
しかし、グラスウールは綿の様なものですので、湿気を大量に吸ってしまえば重くなりずり落ちるというリスクがあります。
グラスウールがずり落ちてしまった所は断熱材が無い訳ですから、家の断熱性が低下してしまいます。
また、発泡ウレタンを使った場合でも、湿気を吸いカビなどが繁殖すれば本来の断熱性能を発揮することが出来なくなってしまいます。
健康被害を引き起こす
構造躯体や断熱材にカビが発生してしまうと、当然部屋の中にもカビの胞子が飛散してしまいます。
これを毎日毎日吸い続けたらどうなるでしょうか?
カビ菌の中には肺や胃などといった臓器、脳などの神経系にも影響を及ぼす恐ろしいものも存在します。
また、カビの菌を餌とするダニも発生しやすくなり、死骸はアレルギーなどの原因にもなります。
さらに、ダニの死骸にカビが発生するという悪循環に陥る可能性も大いにあります。
この様に壁内結露によって二次的な被害が引き起こされてしまうのです。
3、壁内結露を防ぐには
気密性の高い家を建てる
壁内結露は湿った空気が壁の隙間から中に入り込む事が原因の一つですので、気密性の高い家を作り湿った空気が壁の中に入らないようにしましょう。
気密性を表す数値としてC値というものがあり、低ければ低いほど気密性が高いという事になります。
ただし、気密性はハウスメーカーや工務店、さらには施工方法によって様々です。
また、気密性が高い家は息苦しくて嫌だと感じる方もいますので、実際に宿泊体験などをして過ごしやすさを確認することも重要です。
壁内結露ばかりに気を取られて、住み心地が悪くなっては元も子もありません。
気密性と住み心地のバランスを考え納得出来るハウスメーカーや工務店を選びましょう。
透湿率の低い断熱材を使う
断熱材にも湿度を通しにくいものが存在します。
壁の中に湿度を通さない断熱材がぎっしりと詰まっていたら、壁の中に湿った暖かい空気が入り込みにくくなります。
僕が採用した一条工務店では透湿性の低いウレタンフォームが採用されています。
数値で見ると、一般的なグラスウールやロックウールの透湿率は170ng/(m・s・Pa)ですが、一条工務店のウレタンフォームは1.4ng/(m・s・Pa)と非常に低い透湿率となっています。
湿度を通しにくいだけでなく変形しにくいという特徴がありますので、個人的には非常に気に入っています。
通気層をつくる
壁内結露は壁の中に湿った暖かい空気が留まる事も原因の一つです。
なので、壁の中に通気層を作り空気の流れを作ってあげる事で、湿気を外に逃がすことが出来ます。
こうする事で室内から入ってしまった温かく湿った空気をどんどん外に排出するため、家全体に湿気が溜まらないというメリットがあります。
また、既に家を建ててしまった後でも、リフォームで二重壁にする事で通気層を作る事は可能です。
もし、お金に余裕があればリフォームを検討する事も1つの手段だと思います。
室内の湿度を上げない工夫をする
家を建てた後でもすぐにできる対策としては、除湿器を使う事やエアコンのドライ機能を使う事などがあります。
また、定期的に換気をするなどして、家の中に湿度が留まらない様にしましょう。
特に梅雨時期は普段からジメジメしている上に洗濯物の室内干しのせいで湿度が高くなりやすい環境にあります。
そういった湿度が高くなりやすい時は特に活用していただきたいと思います。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は
- 壁内結露は家を腐食し、耐震性・耐久性・断熱性を落とす
- カビやダニによって健康被害を引き起こしやすい
- 湿気を溜めない工夫や家づくり
についてお話させていただきました。
僕が家を建てた場所は、隣が川という立地のため、湿気で家の外壁がコケだらけになるのが嫌だという思いが初めにありました。
その話をハウスメーカーの営業さんにお話しした時に、壁内結露についていろいろと教えていただきました。
昔のコンクリート製で内断熱のアパートでは、部屋中カビだらけになって問題になっていた事や、解体する家の壁の中が腐食してどれだけ悲惨な事になっていたかなど様々な話をしてくれました。
そこで思った事は、家を建てる時は見えないところにこそ注意を払うべきだという事でした。
壁の中というのはよっぽどの事が無い限り見る事はありません。
しかし、家の性能を考える上では非常に大切な部分になってきます。
そんな壁の中だからこそ、家を建てる前から、そして家を建てた後にも注意していきたいですよね。
皆さんも家の窓が結露していたら危険信号だと思って、結露を防ぐ対策をして下さいね。
では、今日はこの辺で。
平屋と総二階建ての費用、どっちがお得?
現在の住宅は二階建てが主流ですが、耐震性や利便性などを考慮して平屋を建てる方も増えてきました。平屋にするか、二階建てにするか、判断する時考えるのは費用面ですよね。「平屋は坪単価が高い」とよく耳にしますが、実際どっちが高いのか、なぜ費用の違いが出るのか気になりますよね。そこで今回は、平屋と二階建ての費用の違いや、どっちを建てた方がお得なのかについてお話させていただきたいと思います。
1、平屋が高くなるポイント
基礎面積が広い
二階建ては縦に大きい建物ですが、平屋は横に大きい建物です。
平屋の場合、二階のスペースを一階に作る訳ですから、基礎面積が広くなってしまいます。
40坪の平屋と総二階建ての住宅で比較してみましょう。
どちらも40坪の家ですが、総二階建ての場合一階の坪数は20坪、平屋の場合一階の坪数は40坪になります。
つまり、平屋の場合、総二階建てに比べておよそ2倍の基礎面積が必要になります。
基礎面積が広くなった場合かかってくる費用があります。
①土地代
②地盤改良費
③基礎代
などです。
それぞれ見ていきましょう。
①土地代
まず土地代ですが、平屋で40坪の家を建てる場合、土地の建築面積上限が40坪以上無いと建てられません。
これが総二階建ての場合は、土地の建築面積上限が20坪以上あれば建てられます。
なので、平屋の場合は二階建てを建てるよりも広い土地が必要になり、土地代が多く掛かる傾向にあります。
また、盛り土などの造成工事が必要な土地の場合、造成費用も高くなります。
②地盤改良費
次に地盤改良費ですが、基礎面積が広くなった分、地盤改良をする土地も広くなり費用も高くなります。
地盤改良は改良する深さによって費用は異なりますが、2m未満であれば1坪あたり約3万円、2~8mであれば1坪あたり約5万円、それ以上の場合は1坪あたり約8万円の費用が掛かります。
仮に1坪あたり5万円の地盤改良が必要だったとします。
総二階建ての場合は基礎面積が20坪ですので、地盤改良費は
20坪×5万円=100万円
となります。
しかし、平屋の場合は基礎面積が40坪ですので、地盤改良費は
40坪×5万円=200万円
となります。
③基礎代
近年様々な場所で大地震が起きており、耐震性については敏感になっている方が多いと思います。
家の耐震性を高めるためには、しっかりとした基礎をつくる必要があります。
しかし、平屋と総二階建てでは基礎面積も2倍違いますので、費用もそれ相応の差が生じます。
一般的なベタ基礎の場合、コンクリートや鉄筋を使いますので、これらの費用も2倍になってしまいます。
屋根が広い
総二階建てに比べて平屋の場合、屋根の面積が広くなります。
屋根をどのような形にするか、どのような屋根材を使用するかによって費用は変わって来ますが、総二階に比べて平屋は2倍の屋根材が必要になります。
なので、当然費用も2倍になってしまいます。
また、屋根は定期的なメンテナンスが必要な場所です。
瓦屋根の場合は破損した瓦の交換、ストレート系や金属系の場合は塗装が必要になります。
屋根の面積が広くなるという事は、これらのメンテナンスコストも高くなるという事になります。
2、二階建てが高くなるポイント
ここまで平屋が高くなるポイントについてお話しましたが、二階建てが高くなるポイントも存在します。
二階建てが高くなるポイントとしては、平屋に必要なかった物が二階建てには必要になるというところにあります。
それでは1つずつ見ていきましょう。
階段
二階建ての建物の場合、当然上の階へ上がるための手段として階段が必要になります。
一般的な階段は4~5畳ほどのスペースが必要になると言われています。
なので、40坪の平屋と同じスペースを二階建てで確保する場合は、延べ床面積が2坪ほど多くなります。
よって、坪単価50万円の家を建てた場合、階段スペースとして約100万円追加でかかる計算になります。
廊下
二階建ての建物の場合は、平屋に比べて廊下が多くなる傾向にあります。
特に2階の部屋は、階段を上り廊下から各部屋に入る間取りが一般的です。
なので、必要になった廊下の坪数だけ家全体の値段が上がってしまいます。
二階トイレ・洗面
二階建ての場合は、利便性を高めるために二階にもトイレや洗面を設置する事があります。
トイレ自体は1畳程度のスペースがあれば良いですが、設備費用も追加で発生してしまいますので注意が必要です。
足場費用
家は住み続ける限りメンテナンスが必要になります。
耐水性や耐久性を維持するためにも外壁や屋根材の再塗装、外壁の目地の打ち直しなどが必要です。
これらのメンテナンスを行う場合足場を組むことになりますが、二階建ての場合は足場を必要とする場所が増えますので、足場にかかる費用が平屋に比べて高い傾向にあります。
3、どっちがお得?
これまで平屋と二階建てそれぞれの費用が高くなるポイントについてお話させていただきました。
では、結論どちらが高くなるのでしょうか?
坪単価が高いのは平屋
平屋が高くなるポイントでお話した通り、住宅の坪単価で言えば平屋の方が高くなります。
坪単価の差額については工務店や使用する建材によって変わりますが、二階建てが坪単価50万円の場合、平屋は坪単価が52~55万円ほどと数万円高くなる傾向になります。
仮に平屋と二階建てで坪単価に3万円の差額があった場合、40坪の家を建てると二階建てに比べて平屋の方が120万円高くなります。
1坪あたりで見るとそこまで高く感じませんが、家全体で見ると非常に高額ですよね。
坪単価だけで考えるのは危険
二階建てが高くなる理由でお話した通り、二階建ては階段や廊下などにスペースが必要になります。
なので、同じ坪数で家を建てたとしても、平屋の方がスペースを有効的に使う事ができます。
お得を決めるのは、あなたの考え次第
平屋と二階建てのどちらがお得かを決めるのは、皆さんがどのような家を建てたいかによって変わってきます。
ここまで僕がお話してきた内容で二択にするのであれば、坪単価が安い二階建てをお得と考えるのか、生活スペースが広い平屋をお得と考えるのかという事になります。
しかし、近年リビング階段を採用される方も増えていますし、階段をリビングの一部、さらにはインテリアとして考えるのであれば、二階建ても十分スペースを広く使う事が可能です。
なので、平屋と二階建てそれぞれで自分達がどのような家を建てたいかを考え、土地と建物にかかる総額の費用で比較して、どちらがお得なのか判断されると良いのではないかと思います。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は
- 坪単価が安いのは二階建て
- スペースに無駄が少ないのは平屋
- 坪単価ではなく、土地と建物の総額でどちらがお得かを判断
についてお話させていただきました。
平屋にするか二階建てにするか僕も非常に悩みました。
吹き抜けのある二階建てというものには今でも憧れがあります。
しかし、僕が家に求めたものを考えた時、二階建てにすると費用が高くなってしまいました。
ちなみに僕が建てたかった家の条件は以下になります。
- ホームパーティーが好きなので広めのリビングが欲しい。
- みんなが毎日顔を合わせるような間取りにしたい。
- 一人で集中して本が読める書斎が欲しい。
- 部屋は主寝室、子供部屋、和室が欲しい。
- 老後に車椅子でも生活しやすい間取りにしたい。
というものでした。
購入する予定だった土地も平屋が建てられるだけのスペースがありましたし予算にも限りがありますので、これらの条件を平屋と二階建てで実現させた場合平屋の方が圧倒的にお得でした。
皆さんも家に求める条件があると思いますので、それらの条件を考慮したうえで最終的に平屋と二階建てどちらにするか、どちらがお得なのか考えると良いかと思います。
では今日はこの辺で。
ライフサイクルコストってなに?家を買う前に知るべきこと
家を買うと様々費用がかかります。建築費はもちろん、生活する中でかかってくる光熱費など様々です。家を買うなら、満足できて、なおかつ安い家を買いたいと思うものです。しかし、家を買う前というのは建築費に目が行きがちで、住んでからかかる費用について十分に考えられていない、もしくは考えているつもりになっていることがあります。あなたが建てようとしている、買おうとしている家は本当に安くて、良い家ですか?今回は、そんな家にかかる費用のお話をさせていただきます。
1、ライフサイクルコストってなに?
安い家は高い家?
家を建てる時に予算について考えると思います。
そんな時に気になるのが坪単価ではないでしょうか?
「大手ハウスメーカーは宣伝費などを含んでいるので坪単価が高くなる。」「だから、地元工務店やローコストビルダーで家を建てたい。」
なんて考える方もいるのではないでしょうか?
しかし、ライフサイクルコストという考え方をすると、「坪単価の安い家が坪単価の高い家よりもお金がかかる」なんてこともあるんです。
ライフサイクルコストとは
ライフサイクルコストとは、一言で言うと家の一生にかかるってくる費用のことです。
これには、イニシャルコスト、ランニングコスト、メンテナンスコストなどが含まれます。
まず、イニシャルコストとは、その名の通り初期経費、つまり建築費のことを言います。
家を建てる時の判断基準として考える要素の一つがまさにこれですね。
次に、ランニングコストとは、一言で言うなら光熱費のことです。
電気代、水道代、ガス代などがこれに含まれます。
最後に、メンテナンスコストとは、その名の通りメンテナンスにかかる費用のことです。
防腐防蟻処理や外壁塗装など、長く快適に過ごすために必要な家の修繕費がこれに含まれます。
2、住んでからのコストは意外とかかる
建築費は氷山の一角
ライフサイクルコストの説明をする時、よく出て来るのは氷山のイラストです。
水面から出て見えている部分が建築費です。
水面下にあって見えない部分が光熱費や修繕費が占めています。
この見えにくい光熱費や修繕費などの維持費が住んでから重くのしかかってくるのです。
建築費は○○%!?
では、ライフサイクルコストの内訳について簡単にご説明させていただきます。
あるデータでは、ライフサイクルコストのうち建築費の占める割合は20%程度なんてことも言われています。
残りの80%は光熱費や修繕費などの維持費なんです。
修繕費はこんなにかかる
光熱費は仕方ないとしても、修繕費ってそんなにかかるものなのかと思われる方もいると思います。
結論から言いますと、めちゃくちゃかかります。
基本的に10年毎に数百万単位での修繕費がかかることが一般的です。
どのような修繕にこれだけの費用がかかるのか、いくつか紹介させていただきます。
まずは外壁ですが、近年の外壁というのはサイディングという板状の建材を張り付けています。
これによって費用は抑えられ施行時間も短縮できます。
しかし、耐水性や耐錆性は塗装によって得られています。
この塗装の耐用年数は約10年ですので、その度に再塗装が必要になります。
外壁の再塗装の費用は大体50万~80万円ほどかかります。
また、サイディングの隙間の目地(コーキング)の打ち変えも必要な場合があり、20万~30万円ほどかかることがあります。
この他、シロアリ対策は5年毎に10万~20万円、屋根の再塗装に10年毎に30万~40万円などなど様々な費用がかかります。
3、ライフサイクルコストを安くするには
住んでからかかる費用を安くする
ライフサイクルコストを安くするには、住んでからかかる費用を安くすることが必要です。
言葉で言うのは簡単ですが、実際にどうすればいいのでしょうか?
耐久性を意識する
まずはメンテナンスコストを少なくするために、建材の耐久性を意識しましょう。
外壁にサイディングを使用する場合は、耐久性の高いフッ素系塗装や光触媒系塗装を施すと良いです。
また、トイレでお馴染みのTOTOが出している商品で、ハイドロテクトタイルというものがあります。
これは、光触媒を利用したタイルで再塗装は必要ありません。
一条工務店では、この光触媒技術を採用した自社生産のハイドロテクトタイルを取り入れています。
初期費用は掛かりますが、維持費があまりかからないコスパの良い商品だと思います。
次にシロアリ対策ですが、住友林業ではタームガードという、家の周りに防蟻薬剤を流すパイプを通すことで、5年毎にかかる費用を削減しています。
その他にも、工務店やハウスメーカー独自の方法でメンテナンスコストの削減をしています。
気密性・断熱性を考える
気密性・断熱性というのはランニングコストである光熱費を抑えるために非常に重要な事です。
まず気密性についてですが、皆さんは家に空いている隙間をすべで合わせるとどれくらいの大きさになると思いますか?
実は、昔の家ははがき10枚分ほどの隙間が空いていると言われています。
そんな穴が開いていたら冷暖房が相当無駄になっていることが分かると思います。
最近の高気密住宅ではがき2枚以下にまで隙間を少なく出来ています。
次に断熱性についてですが、断熱材について皆さんはどれだけご存知でしょうか?
一般的な断熱材として、グラスウールという硝子繊維のものが使われています。
非常に安価な断熱材ですのでよく使われるのですが、湿度に弱いという欠点があります。
グラスウールは綿のようなものですので、水を含むと重たくなり下にズレてしまいます。
そうすると断熱性が下がってしまうのです。
私がお勧めするのは、ウレタンフォームという断熱材です。
イメージとしては発泡スチロールのような感じです。(※厳密には違いますのであくまでイメージとしてとらえてください。)
発泡スチロールだったら水を吸ってもズレるようなことはありませんよね?
値段は高くなりますが、断熱性を保てるという点では非常にコスパが良いと思います。
断熱材以外で断熱性に関わるものとして窓が挙げられます。
窓は家の中で熱が逃げていきやすい場所なんです。
昔の窓は1枚のガラスでアルミサッシが一般的でした。
なので、冬になると「窓が結露でビショビショ」なんてことがありませんか?
そこで最近の断熱性の高い窓は2枚ガラスになっており、外気と内気が直接1枚のガラスでぶつからないようになっています。
また、アルミサッシは金属ですので熱が伝わりやすいため断熱性が低いのです。
これを解決できるものとして熱の伝わりにくい樹脂サッシがあります。
アルミサッシに比べれば耐久性は低いですが、数年でダメになるようなものではありませんので採用する事をお勧めします。
このように気密性や断熱性を考える事で光熱費を削減することができます。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか?
・建築費はライフサイクルコストの氷山の一角
・ライフサイクルコストのうち建築費の占める割合は20%程度。
・ライフサイクルコストを安くするには、住んでからかかる費用を安くする。
・建材の耐久性や気密性、断熱性を意識する。
についてお話させていただきました。
家を建てる時は建築費に目が行きがちですが、大切なのは住んでからの生活の方です。
イニシャルコストを削ってしまったばっかりに、ランニングコストやメンテナンスコストに苦しめられないように気を付けてください。
その為にもいろんな人からたくさんの話を聞いて、皆さんに合った家づくりをして下さいね。
では、今日はこの辺で。
注文住宅の四大収納!「収納」で変わる住み心地
生活するうえで悩みの種となるのが収納です。片付けても片付けても家の中は物で散らかっていくもの。でも、収納を増やしすぎると家の中が狭くなってしまって、逆に散らかって見えてしまいます。収納で重要なのは必要なところに必要な収納を用意すること。では、家の中でどこにどれくらいの量の収納が必要なのかを我が家の収納事情も含めてお話していきたいと思います。
目次
1、四大収納
家の中には散らかりやすい場所というのが数カ所あります。その中で私の考える四大収納についてお話させていただきたいと思います。
玄関
玄関は家の顔ともいわれることがあり、玄関がどれだけ片付いているかで家の品格が問われることもあります。
また、自分が帰宅した時、玄関が綺麗だとどこかホッとしますよね。(僕だけかも(笑))
しかし玄関というのは、たくさんの靴や傘などによって散らかりやすい傾向にあります。
また、家庭によってはベビーカーや自転車、子供のおもちゃ、釣り竿などなど、外で使うものを置くこともあります。
そうすると思った以上に玄関が圧迫されてしまいます。
アパートなどの賃貸は特に玄関が狭いため散らかりがちです。
なので、注文住宅を建てる時は、玄関収納を考えましょう。
屋外に倉庫を置くスペースがある場合は別ですが、意外と屋外のスペースって少ないものです。
また、防犯なども考えるとあまり屋外には物を置けません。
そこでおすすめなのが、シューズクロークです。
シューズクロークは靴だけでなく屋外で使うものを置くスペースとしても利用できます。
また、家族はシューズクロークを通って自宅に上がれるように間取りを作れば、玄関を来客用として使うことができるのでスッキリした印象になります。
リビング
玄関を通って次に向かう場所はリビングです。
仕事から帰って来てリビングにたどり着くと、何気なく椅子や床に荷物をポンッと置いてしまうもの。
上着をポンッ、郵便物をポンッ、雑誌をポンッ、ポンッ、ポンッ、ポンッ、ポンッ...
また、リビングは生活の中心にもなる場所ですので、色々な物が必然的に増える傾向にあります。
気づいたら「リビングが物であふれてる!」なんてこともありますよね。
リビングボードを置いて収納を増やすというのもありですが、意外と部屋を圧迫してしまいます。
そこで私がおすすめなのが、バックヤードを設ける事です。
リビングのバックヤードはテレビの後ろに設ける事が一般的で、ここにはリビングで散らかりがちな日用品(郵便物など)や掃除道具などを収納できます。
また、カバンや帽子、ジャケットなどをファミリークローゼットとしても活用できます。
次におすすめなのがテレビボードを活用することです。
テレビの周り、特にテレビの上のスペースというのは意外と活用されていません。
なので、テレビを覆うようなタイプのテレビボードを使う事で、スペースを有効活用することが出来ます。
CDやDVDだけでなく、郵便物、書類関係、読み終わっていない雑誌などを収納する事にも使えて便利だと思います。
バックヤードを作るスペースが無い!という方はぜひ活用してみてください。
キッチン
キッチンは主婦(主夫)の聖域であり、毎日使わなくてはならない場所です。
毎日食事を作るためにたくさんの調理器具や調味料、食材などを保管する必要があります。
そうすと、だんだん収納できなくなり、最終的には調理スペースまで圧迫してしまうこともあります。
もちろんキッチンやカップボードの収納を増やすことは大切ですが、パントリーを設けることをよりおすすめします。
そうすればキッチン周りの掃除道具や缶詰などの保存食、常温保存できる食材などを保管することができます。
また、扉などを付けてしまえば中身が見えませんので、生活感が出にくくなるというメリットもあります。
間取りによってはパントリーを作るスペースが無いという方もいるかもしれません。
その場合は、床下収納を採用すると良いかと思います。
洗面・脱衣所
洗面・脱衣所は顔を洗ったり、歯磨きをしたり、洗濯をしたり、入浴前後の服の着脱など用途は多岐に渡ります。
しかし、他の部屋に比べれば比較的狭い空間です。
替えの歯ブラシや歯磨き粉、衣類用洗剤、シャンプー、リンス、バスタオルなど意外とたくさんのものが収納される場所でもあります。
また、家事動線を考えてみると、下着やパジャマなどはお風呂の後に脱衣所で着替えて翌日に脱衣所の洗濯機に入れますよね。
そうなると下着やパジャマなどは脱衣所に収納すると、お風呂の前に下着とパジャマを脱衣所に持って行く手間が省けます。
なので、洗面・脱衣所の収納にも気を配ることが必要だと思います。
2、我が家の収納
ここまで注文住宅の四大収納についてお話をしてきました。
ここからは我が家の収納事情についてお話させていただきたいと思います。
玄関
玄関には大きめのシューズボックスを準備しました。
収納できる靴の数としては50組以上です。
我が家は3人家族なので十分な量だと思います。
また、シューズボックスと玄関の壁の間には0.5畳ほどのスペースを作っています。
このスペースに傘立てを置くことで玄関をスッキリさせています。
我が家の場合、幸いにも屋外に物を置くスペースがあったため、屋外で使うものは屋外に片付けています。
防犯上、どうしても屋外は心配になりますので、鍵を掛けれるものにはしっかりと鍵を掛ける、なるべく外から見えないところに置くなど対策を取っています。
先々は倉庫の購入も視野に入れています。
リビング
我が家のリビングにはオプションで選択できるもので一番大きいテレビボードを採用しています。
というのも、アパートに住んでいた時に一番散らかっていたのがリビングでした。
生活の中心がリビングだったため細々したものが散乱していたのです。
また、CDやDVDなどもたくさんあるので、これらを収納する目的でリビングには多めの収納を準備しました。
キッチン
我が家のリビング事情を聞かれた時に、「あれ?掃除機はどこに片付けているの?」と思われた方はかなり鋭いです。
我が家ではキッチンにパントリーを設けていますが、そこに掃除機を収納しています。
また、掃除機以外にもLDKで使う掃除道具は全てパントリーの中に片付けることにしています。
調理器具はキッチンに、食器はカップボードに収納していますが、この一角に調味料や缶詰なども収納しています。
それに、あまり缶詰を買い溜める事も無いので、我が家の場合はこれで事足りています。
なので、我が家でパントリーを採用したのは、リビングに設置できなかった収納をキッチンに作ったからなのです。
洗面・脱衣所
洗面脱衣所には標準で付いてくる洗面台を採用しています。
意外と大きなサイズですし奥行きもあるので、思った以上にたくさんのものが収納できるので助かっています。
というか、大きすぎて上手に使えていない感じもあります。(笑)
3、収納の決め方
収納は数じゃない
ここまで収納の重要性を我が家の収納事情についてお話させていただきました。
しかし、注意していただきたいのは、収納は数じゃないということです。
冒頭でもお話しましたが、収納ばかり増やすと家の中が狭くなり、かえって散らかって見えてしまいます。
なので、重要なのは収納の質、つまり必要な場所に必要なだけの収納を準備することなのです。
今回家の中で散らかりやすい場所や頻繁に使う場所を四大収納として挙げています。
なので、収納の数を決める時は今の生活でどれだけの収納が不足しているのかということも判断材料の一つとしてください。
その上で必要になりそうな分だけ収納を作って、収納の質を上げると良いかと思います。
それに、収納を増やしすぎると、物も増えやすくなるので注意して下さいね。
予算>収納数で考えて
収納の数を考える時は予算と相談する事も大切です。
間取りを作っている段階で収納を増やすという事は、部屋を狭くするか家全体を大きくするかしかありません。
なので、自分達の予算をオーバーしてまで収納を増やす必要はありません。
家具屋さんに行けば安く収納を購入することもできますし、収納術などを勉強することで解決できることも沢山あります。
収納を増やすために予算をオーバーしてしまい、月々の支払いで生活が窮屈になってしまわないように気を付けてくださいね。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は
・注文住宅の四大収納(玄関、リビング、キッチン、洗面・脱衣所)
・我が家の収納事情
・収納は質
・予算>収納数
についてお話させていただきました。
最近は生活感のないお宅というのが好評なようです。
生活感を隠したいと思われる方は、特に四大収納に注意して間取りを考えられると良いかと思います。
では今日はこの辺で。
家は負債!資産価値はゼロ!家を買う前に知るべきこと
夢のマイホームなんて言葉をよく聴きますよね。でも、マイホームに潜む落とし穴に気が付いていますか?「家は資産だから売ればお金になる」なんて考えていませんか?僕の友人は家を建てたいと言って、様々なハウスメーカーで話を聞いて、分譲地を見学して、その結果家を買いませんでした。理由は「ローンを完済しても、残るのはボロボロの家、つまり負債だけだから」でした。しかし、その話を聞いてもなお、僕は家を買いました。そこで、マイホーム購入に潜む様々なリスクや僕が家を買う事を決断した理由についてお話していきたいと思います。
1、家が負債になる理由
家の資産価値について
家の資産価値について皆さんはどれだけ考えた事がありますか?
昔からよく言われている事、それは、家の資産価値は20年でゼロになる!です。
家を購入してすぐに資産価値は急激に下がり続けます。
住宅ローンを35年で借りた場合、ローンを15年も残して家の資産価値がなくなる事になります。
そして、35年かけて住宅ローンを払い終える頃に残っているのは、ボロボロのマイホームなのです。
日本の家の寿命
家も形ある物ですので寿命があります。
ちなみに、アメリカやイギリスの家というのは平均寿命が100年を超えています。
それに対して日本の家の平均寿命は、なんと27年!
アメリカやイギリスの3分の1も無いんです。
もちろん、これは日本の気候による影響もありますが、日本の家の性能の低さも関係しているんです。
メイド・イン・ジャパンは素晴らしいと思われがちですが、家に関しては日本は遅れていると言っても過言ではありません。
住宅ローンより家賃の方が断然お得
家を購入する理由として「家賃を払うよりローンを払った方がいい。」なんて考えていませんか?
実は逆なんです。
例えば、今のアパートの家賃が6万円だったとします。
住宅ローンの支払いを毎月6万円にします。
これだけ見れば住宅ローンを払い終えた後の支払いが無くなりお得に見えますね。
でも、家を持つという事は、今まで大家さんがしていた管理を自分でしなくてはいけません。
古くなった外壁の塗装やシロアリ対策、屋根の葺き替え等々。
こういったものをメンテナンスコストと言いますが、住宅ローンとは別に家を維持するためにかかる費用が発生します。
2、資産価値を少しでも残すポイントは?
土地の利便性
家と土地の資産価値の割合は1:9と言われています。
つまり、資産価値を少しでも残すには、資産価値の高い土地を買う必要があるんです。
では、資産価値の高い土地とはどのような土地なのでしょうか?
やはり一番重要視されるのは利便性です。
近くに駅やショッピングセンター、学校、病院など、生活利便の良い土地というのは誰でも欲しいものです。
ですので、家ばかりに気を取られるのではなく、土地についてもしっかり考えるようにしましょう。
長期優良住宅の認定を受ける
長期優良住宅という言葉を耳にしたことがあると思います。
長期優良住宅とは、その名の通り、長期間にわたり良好な状態で生活できる家のことを言います。
長期優良住宅の認定を受けるには当然様々な条件があり、認定にもお金が掛かります。
しかし、長期優良住宅の認定を受ける事で年々低下する資産価値を少しでも高い水準に保つことが出来ます。
さらに、住宅ローン控除やフラット35Sでの魅力的な優遇が受けられるなどメリットがあります。
住宅性能評価を受ける
住宅性能評価とは、ハウスメーカーや工務店とは別の第三者(住宅性能評価機関)が住宅の性能を客観的に評価する制度です。
住宅性能評価には設計住宅性能評価と建築住宅性能評価の2種類があります。
設計住宅性能評価は設計図をもとに、建築住宅性能評価は完成した家に対して評価をされます。
住宅性能評価を受ける事で、設計の段階や施工の段階での不備を発見し欠陥住宅になるリスクを防ぐことができます。
3、家を買うメリット
土地の資産価値はゼロにならない
家の資産価値は年々低下しますが、土地の資産価値がゼロになる事はありません。
土地の資産価値が9割と言いましたように、土地を資産として所有することが出来ますし、所有する土地価格相場が上がれば購入した時よりも高く売る事もできるかもしれません。
好きな時に好きなことができる
アパートではお隣さんとの距離が近い分、大声を出せば聞こえますし、足音が1階に響くことがあります。
それに比べて1軒屋はほぼ時間を気にせずにやりたいことができます。
遮音性の高い家ならなおさらです。
夜中にホームパーティーなんかやっても苦情が来ることなんてほぼありません。
4、家を買った理由
ここまで家を買うことについて様々なリスクや対処法、メリットについてお話をさせていただきました。
最後に私がなぜ家を買う事にしたのかについてお話させていただきます。
それは、自分の家を建てることが夢だったからなんです。(笑)
自分の持ち家で、自分の家族と、色々な思い出を作っていきながら歳を取っていきたい。
それが自分の理想とする人生だからです。
決断した理由はほかにもありますが、これが大部分を占めているように思います
5、まとめ
いかがでしたでしょうか。
・家の資産価値は年々低下する上に、日本の家の寿命は27年と短い。
・家賃を払った方がお得。
・資産価値を落とさないためには、利便性、長期優良住宅、住宅性能評価。
・家を買うことのメリット
についてお話させていただきました。
家を買った理由が夢ってどうなのって思われる方もいるとは思いますが、胸を張って言える理由があるということが重要だと思います。
皆さんも是非素晴らしい家づくりをして下さいね。
では今日はこの辺で。