ゆきづきブログ

このブログでは僕、雪月(ゆきづき)が、家を建てようと考えている方や家を建てた方に向けて、様々な情報を発信していきます。

壁内結露の恐怖!結露が家を腐らせる

家を建てる時はいろいろな事に着目されると思いますが、やはり安心して住める家や快適な家というものには誰もが憧れるものです。日本は地震大国ですので耐震性は譲れませんよね。また、夏場はじめじめして暑いのに、冬場は乾燥して寒いという気候ですので断熱性も譲れません。そんな家の性能を落とす恐ろしいものとして「壁内結露」というものがあります。文字通り壁の内側で起こる結露の事ですが、今回はこの壁内結露の恐ろしさについてお話させていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

1、壁内結露とは

 

はじめに、空気中の水分が冷やされて水滴になって付着する事を結露と言います。

冷えた飲み物の入ったグラスの表面が水滴で湿っているって事ありますよね?

また、冬場に暖房器具を使っていると窓が水滴でビショビショという事も経験された方が多いのではないでしょうか?

この様なものすべてが結露であり、家の中のどこででも起こり得る現象なのです。

この結露が壁の中で起こる事を壁内結露内部結露と言います。

炊事や家事、暖房器具など、僕たちが生活する上で湿度は切っても切れない関係にあります。

また、日本の気候は特殊で、夏は高温多湿になります。

この様な温かく湿った空気は、小さな隙間から壁の中に入ってしまいます。

家の壁というのは一枚板ではなく、内壁と外壁の間には断熱材などの層が存在します。

この層の中には空気もあり、湿度が高ければ高いほど室内と屋外の温度差によって壁の中で結露が起こりやすくなります。

では、壁内結露は家に対してどのような影響を与えるのでしょうか?

 

2、壁内結露の危険性

 

構造躯体を腐らせる

壁の中で高温多湿の状態が続くとカビや腐朽菌などが発生しやすくなり、繁殖すれば繁殖するほど柱などの構造躯体を腐らせてしまいます。

腐ってしまった木材は非常にもろくなってしまいます。

家を建てる時に耐震等級3あったとしても壁内結露のせいで柱などが腐り、数年のうちに耐震性が低下するという事があります。

同時に耐久性も低下し、家の寿命を短くしてしまうという事も起こってしまいます。

 

断熱性を低下させる

一般的な断熱材としてグラスウールというものがあります。

グラスウールは発泡ウレタンなどに比べて安価ですが、正しく施工されれば断熱性としてほぼ同じ性能があります。

しかし、グラスウールは綿の様なものですので、湿気を大量に吸ってしまえば重くなりずり落ちるというリスクがあります。

グラスウールがずり落ちてしまった所は断熱材が無い訳ですから、家の断熱性が低下してしまいます。

また、発泡ウレタンを使った場合でも、湿気を吸いカビなどが繁殖すれば本来の断熱性能を発揮することが出来なくなってしまいます。

 

健康被害を引き起こす

構造躯体や断熱材にカビが発生してしまうと、当然部屋の中にもカビの胞子が飛散してしまいます。

これを毎日毎日吸い続けたらどうなるでしょうか?

カビ菌の中には肺や胃などといった臓器、脳などの神経系にも影響を及ぼす恐ろしいものも存在します。

また、カビの菌を餌とするダニも発生しやすくなり、死骸はアレルギーなどの原因にもなります。

さらに、ダニの死骸にカビが発生するという悪循環に陥る可能性も大いにあります。

この様に壁内結露によって二次的な被害が引き起こされてしまうのです。

 

3、壁内結露を防ぐには

 

気密性の高い家を建てる

壁内結露は湿った空気が壁の隙間から中に入り込む事が原因の一つですので、気密性の高い家を作り湿った空気が壁の中に入らないようにしましょう。

気密性を表す数値としてC値というものがあり、低ければ低いほど気密性が高いという事になります。

ただし、気密性はハウスメーカー工務店、さらには施工方法によって様々です。

また、気密性が高い家は息苦しくて嫌だと感じる方もいますので、実際に宿泊体験などをして過ごしやすさを確認することも重要です。

壁内結露ばかりに気を取られて、住み心地が悪くなっては元も子もありません。

気密性と住み心地のバランスを考え納得出来るハウスメーカー工務店を選びましょう。

 

透湿率の低い断熱材を使う

断熱材にも湿度を通しにくいものが存在します。

壁の中に湿度を通さない断熱材がぎっしりと詰まっていたら、壁の中に湿った暖かい空気が入り込みにくくなります。

僕が採用した一条工務店では透湿性の低いウレタンフォームが採用されています。

数値で見ると、一般的なグラスウールやロックウールの透湿率は170ng/(m・s・Pa)ですが、一条工務店のウレタンフォームは1.4ng/(m・s・Pa)と非常に低い透湿率となっています。

湿度を通しにくいだけでなく変形しにくいという特徴がありますので、個人的には非常に気に入っています。

 

通気層をつくる

壁内結露は壁の中に湿った暖かい空気が留まる事も原因の一つです。

なので、壁の中に通気層を作り空気の流れを作ってあげる事で、湿気を外に逃がことが出来ます。

こうする事で室内から入ってしまった温かく湿った空気をどんどん外に排出するため、家全体に湿気が溜まらないというメリットがあります。

また、既に家を建ててしまった後でも、リフォームで二重壁にする事で通気層を作る事は可能です。

もし、お金に余裕があればリフォームを検討する事も1つの手段だと思います。

 

室内の湿度を上げない工夫をする

家を建てた後でもすぐにできる対策としては、除湿器を使う事やエアコンのドライ機能を使う事などがあります。

また、定期的に換気をするなどして、家の中に湿度が留まらない様にしましょう。

特に梅雨時期は普段からジメジメしている上に洗濯物の室内干しのせいで湿度が高くなりやすい環境にあります。

そういった湿度が高くなりやすい時は特に活用していただきたいと思います。

 

4、まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は

 

  • 壁内結露は家を腐食し、耐震性・耐久性・断熱性を落とす
  • カビやダニによって健康被害を引き起こしやすい
  • 湿気を溜めない工夫や家づくり

 

についてお話させていただきました。

僕が家を建てた場所は、隣が川という立地のため、湿気で家の外壁がコケだらけになるのが嫌だという思いが初めにありました。

その話をハウスメーカーの営業さんにお話しした時に、壁内結露についていろいろと教えていただきました。

昔のコンクリート製で内断熱のアパートでは、部屋中カビだらけになって問題になっていた事や、解体する家の壁の中が腐食してどれだけ悲惨な事になっていたかなど様々な話をしてくれました。

そこで思った事は、家を建てる時は見えないところにこそ注意を払うべきだという事でした。

壁の中というのはよっぽどの事が無い限り見る事はありません。

しかし、家の性能を考える上では非常に大切な部分になってきます。

そんな壁の中だからこそ、家を建てる前から、そして家を建てた後にも注意していきたいですよね。

皆さんも家の窓が結露していたら危険信号だと思って、結露を防ぐ対策をして下さいね。

では、今日はこの辺で。